最高速トライアル in 谷田部
MZ-11 ソアラ...オートセレクト初挑戦のトヨタ車で印象深い思い出があります。エンジンは5MG、2,800ccのNAでした。そのころは、トラスト・ソアラが有名であこがれて制作した一台でした。当時のトヨタ車はハイソカーブームでチューニングの需要も多く、各メーカーからボルトオンターボキットが発売されるなど、ターボチューン発展途上の時代でした。しかし、強化パーツがなく、インジェクション化され、エンジンCPUも「ブラックBOX」と呼ばれており、チューニング暗黒時代のまっただ中でした。私たちは、L型フルチューンターボのパワーに惚れ込んでいたので、小径のスロットルバルブやインマニ、LOWカム等を使用しての無理なチューニングに耐えられず、キャブレターによるツインターボを選択しました。タービンはKKK製の通称「F-1タービン」と呼ばれるものを使用し、500馬力以上ものパワーを発揮していました。当時は空燃費計などの計測機器はなく、ひたすら実走と排気温度計のデータだけを頼りにしてセッティングしていたので、谷田部のテストコースで初めて300km/hオーバーを記録したときは大変感動しました。
当時の目標であった300km/hを一旦クリアすると最高速への挑戦心が湧き、これ以降、S-130Zの310km/h、70スープラATでの317km/h、異色車ではフェラーリ512bbiのボルトオンツインターボ仕様での285km/hと谷田部通いが続きました。そのころ、チューニングする車種はトヨタの7MG搭載車が多く、ソアラやスープラのAT車がほとんどでした。年号が平成に変ったころ、日産からNEWカーがデビューし、R32やZ32の登場で新たなチューニングがスタートしたのです。
新型エンジンでの挑戦
VG30DETTでの谷田部最高速トライアル。エンジンCPUのチューニングがメジャーになり、ベースエンジンの強度が上がったこともあって、ノーマルエンジンでも400馬力くらいまでは ブーストアップ仕様でも望めるようになってきました。そのため、チューニングの世界が低価格で味わえるようになり、コストパフォーマンスに優れたチューニングを目指し、技術力の向上につとめました。エンジンはノーマル、タービンはトラストTD-05Gツインの500馬力仕様で、Z32のボディ空力の良さもあったおかげで305km/hを記録し、いい評価を得ることが出来ました。そのとき、ストリートゼロヨンでも、Lメカや7MGTのフルタービン仕様車と互角に走れる新しい時代が来たと実感しました。
※注:このページのフェラーリとZ32の写真は、それぞれAUTOマキシマムと4WD FREAK 8月号増刊より許可を得て転載しています。